仏画に金泥はなくてはならないものですが、使えるようにするためにはひと手間かけなくてはいけません。
金泥の焼き方をご紹介します。

純金泥0.4g
ニカワ
電熱器
皿
純金泥はなるべく良質なものを使用してください。
純金泥0.4gです。
お皿のなるべく一箇所に金泥を乗せ、金泥から離れた場所に、ニカワの原液を少し垂らします。
この時注意すべきことは、皿いっぱいに金泥の粉を広げないことと、金泥の上に直接ニカワを垂らさないことです。
中指の腹に少しずつニカワをつけ、金泥を練ってダンゴ状にしていきます。
ニカワで金泥をくるむようなつもりで、練っていきます。
指にニカワをつけながら、金泥をなるべく均等に、皿に薄くのばしていきます。
電熱器で焼きます。
皿をクルクル回しながら、電熱器にかけます。焼きすぎると金泥が皿に焼き付いてしまって失敗します。
目安としては、ピカッと光ってくるぐらいでしょうか。
焼いたところ。
皿の粗熱をとります。
ぬるま湯を注いで、中指の腹で丁寧にこすり、皿から金泥をはがします。
よくかき混ぜ、ほこりが入らないように皿にハガキを乗せて、一晩放置して金泥を沈殿させます。

もう一度同じように電熱器で焼き、ぬるま湯を注いでよくかき混ぜ、一晩沈殿させます。
上澄みを捨てて出来上がり。
後は描く時に、ニカワの量を調整してください。
ニカワが少ないと、金の伸びが悪くて描きづらく、多すぎると粘るし、金の発色が悪くなります。
上手く焼けてアク抜きもできた金泥は、描く時にまるで金の糸を引いたような感覚がします。
金泥は一度処理をすれば、ずっとその都度使えますが、使い続けると金が疲れてきますので、またぬるま湯を注いでよくかき混ぜ、沈殿させて上澄みを捨てるとよいです。
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